2025年9月
主催:一般社団法人 表面分析研究会
協賛(予定):日本表面真空学会
応用物理学会
日本分析化学会
日本金属学会
日本顕微鏡学会
日本分析機器工業会
表面分析に関する国際規格は国際標準化機構(ISO)で議論され,国際的な合意のもと現在では83件のISO規格が成立し,これらISO規格のうち29件は日本の国家標準である日本工業規格(JIS)として翻訳されています.JIS 規格やISO規格で取り扱われている事項は,表面分析装置のメンテナンスや試料の取り扱い,各種材料の分析法,計測データの処理,測定結果の報告など多岐にわたっています.
ところで,日常の分析業務においてこれらの規格はどの程度利用されているのでしょうか?装置のメンテナンス時に行われるもの,測定ソフトや解析ソフトに組み込まれているものも多く,ユーザーにとっては直接目に見えないところで利用されている規格も多数あります.またJISやISO規格ではなく,各部署に伝わる技術やノウハウ,社内標準に従って業務が行われる場合も多く見られます.しかしながら,産業のグローバル化に伴って分析評価の重要性が世界的に再認識され,国際標準に従った分析評価(測定・解析・報告)が不可欠となっています.さらに現在注目されているビッグデータ解析,AIによる材料・デバイス開発においてはデータの再現性や信頼性が最重要項目であり,JISやISO規格に従った分析評価が求められるようになってきました.
表面分析研究会(SASJ)では,JIS及びISO規格に関する実用的なセミナーを2010年より開催しています.本年度は内容を一新し,日常の分析業務において高い信頼性と再現性で高精度な分析を行うために不可欠である規格やユーザー自身が知っておくべき規格を中心に解説します.また、聴講するだけではなく、実習も取り入れることで,より実用的な『聞けば使えるセミナー』を目指します.ぜひ企業,研究所等の現場で実際に表面分析に携わっておられる方々に参加していただき,日常業務に役立てていただきたく存じます.
- 日時:
- 2025年12月8日(月),9日(火) 10:00-17:00
- 場所:
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現地会場(メイン)およびオンライン会場
・現地会場
Shimadzu Tokyo Innovation Plaza(株式会社島津製作所 殿町事業所)
〒210-0821 神奈川県川崎市川崎区殿町3丁目25-40 TEL:044-201-8701
アクセス:下記webをご参照ください。
https://www.shimadzu.co.jp/research_and_development/tokyo-innovation-plaza/
・オンライン会場
アクセス方法は参加者に事務局から別途連絡します.
- プログラム(予定):
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12月8日(月)
- 10:00 ~ 11:00 1.XPS-分析のガイドライン(ISO 10810:2019)
-正しいXPS分析を効率よく行うために-
大川 和香子(TDK株式会社) - 11:00 ~ 12:00 2.AES-高エネルギー分解能AESのためのエネルギー軸校正
(ISO 17974:2002, JIS K 0166:2011)
XPS-XPSのためのエネルギー軸校正(ISO 15472:2010, JIS K 0145:2002)
-正しい元素定性と化学状態分析を行うために-
堤 建一(日本電子株式会社) - 12:00 ~ 13:20昼食(各自でお取りください)
- 13:20 ~ 14:20 3.SIMS-S-SIMSにおける相対イオン強度の再現性と安定性
(ISO 23830:2008, JIS K 0153:2015)
単一イオン計数飛行時間型分析器の強度軸の線形性(ISO 17862:2022)
-正しい二次イオン強度計測のために-
伊藤 博人(コニカミノルタ株式会社)
- 14:20 ~ 15:20 4.SIMS-飛行時間型二次イオン質量分析計の質量スケールの校正
(ISO 13084:2018, JIS K 0157:2021)
-正しい二次イオン質量を得るために-
大友 晋哉(古河電気工業株式会社) - 15:20 ~ 15:40休憩
- 15:40 ~ 16:40 5.SIMS-有機物質のアルゴンクラスタスパッタによるデプスプロファイリング
における収率量を求める方法 (ISO 22415:2019)
-GCIBを利用した正しいSIMS分析-
飯田 真一(アルバック・ファイ株式会社) - 16:40 ~ 17:00質疑応答
- 10:00 ~ 11:00 6.各手法共通-分析のための試料準備と装着に関する指針
(ISO 20579-2:2025, JIS K 0154:2017)
各手法共通-分析前の試料の取扱い(ISO 20579-1:2024)
-正しい結果を得るための試料の取り扱い-
坂本 広太(北海道立工業技術センター) - 11:00 ~ 12:00 7.XPS-帯電制御と帯電補正に用いた手法の報告方法(ISO 19318:2021)
-絶縁物の正しいXPS分析-
鈴木 貴博(キャタラー株式会社) - 12:00 ~ 13:20昼食(各自でお取りください)
- 13:20 ~ 14:20 8.XPS-薄膜分析の結果報告(ISO 13424:2013)
-正しい薄膜分析-
松村 純宏(ウエスタンデジタルテクノロジーズ合同会社) - 14:20 ~ 15:20 9.AES & XPS-均質物質定量分析のための実験的に求められた相対感度係数の使用指針
(ISO 18118:2024, JIS K 0167:2011)
-均質物質の正しい定量分析-
新谷 龍二(日鉄テクノロジー株式会社) - 15:20 ~ 15:40休憩
- 15:40 ~ 16:4010.XPS-均一試料における元素の検出限界の算出方法ならびにその報告方法
(ISO 19668:2017)
-均一物質の正しい検出限界の決め方-
齋藤 健(日本エフイー・アイ株式会社) - 16:40 ~ 17:00質疑応答
- 10:00 ~ 11:00 1.XPS-分析のガイドライン(ISO 10810:2019)
- 参加費:
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参加費(2日間) 参加費(どちらか1日) SASJ会員 ※: 25,000円 15,000円 協賛学協会会員: 25,000円 15,000円 学生: 15,000円 10,000円 その他: 35,000円 25,000円
入会はWeb(http://www.sasj.jp/join.html)からお願いいたします.
- 参加申込:
- お申し込みはWeb(http://www.sasj.jp/seminar/iso-seminar25/index.html)の「参加申込み」タブからお願いします.
お願い参加申し込み締め切り後のキャンセルに関しましては,誠に勝手ながら参加費の払い戻しは致しません.御都合が悪くなった場合には,代理の方の参加をお願い致します.
- 参加申込締切 :
- 2025年11月18日(火)
- 質問 :
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講義内容に関して質問があれば,下記問い合わせ先まで電子メールにてご連絡ください.
セミナー当日に講師の先生からご回答いただくようにいたします.
- 問い合わせ先:
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表面分析研究会ISOセミナー担当 荒木 祥和(株式会社日産アーク)
E-mail: